暮らしの道具

保存容器の選び方は冷蔵庫の使い方から決める

作り置きを始めたはいいけれど、容器の蓋が閉めにくい。冷蔵庫の中で積み上がらずに転がっている。冷凍したら中身が取り出せない。買い替えを考えるとき、多くの人が引っかかるのはこのあたりです。この記事では、素材のスペックを並べるのではなく、冷蔵庫の中でどう使うかから逆算して保存容器を選ぶ順番をお伝えします。

買ってから後悔するのは、だいたい同じ四つ

売場で「前に買ったものが使いにくくて」と聞くとき、理由はほぼ次のどれかに収まります。

一つめは蓋。四辺をパチンと留めるタイプは密閉性が高い代わりに、手が濡れていると開けにくく、爪が痛い。逆に軽く載せるだけの蓋は扱いは楽ですが、横にすると汁が出ます。

二つめは形。上に向かって広がるテーパー形状は洗いやすく重ねて収納できますが、冷蔵庫の中で「別の容器を上に載せる」ことはできません。積める形と、しまうときに入れ子にできる形は別物です。

三つめは冷凍。液体は凍ると膨らみます。口いっぱいまで入れて蓋をすると、蓋が押し上げられたり、素材によっては負担がかかります。

四つめは匂いと色。カレー、トマト、キムチ。この三つで容器の寿命が決まると言ってもいいくらいです。

どれも使い始めてから気づくことばかりなので、買う前にこの四つを思い出すだけでも選び方が変わります。

素材より先に、「どう置くか」を決める

保存容器の使われ方は、冷蔵庫の中で見ると四つに分かれます。

重ねる——作り置きを何品も並行して保存する人。棚の高さを縦に使いたい。

立てる——ドアポケットや、浅い引き出しに立てて入れる。液体やタレ、常備菜を少量ずつ。

そのまま食卓へ——温めて、蓋を外して、器に移さずに出す。洗い物を減らしたい人。

冷凍する——ご飯、下味をつけた肉、スープ。

この四つのうち、自分がいちばん多くやるのはどれか。次に多いのはどれか。二位まで決まれば、素材はかなり絞れます。全部を一つの容器で満たそうとすると、どこかで無理が出ます。

素材ごとの向き不向き

耐熱ガラスは、匂いと色が移りにくいのが最大の利点です。中身が見えるので、奥に押し込んだまま忘れる事故が減ります。電子レンジで温めてそのまま食卓へ出す使い方に向いています。弱点は重さと、落としたときに割れること。積み重ねると下の段を取り出すのが億劫になるので、「重ねる」が一位の人にはやや重い選択です。冷凍は可能な製品が多いものの、急な温度差に弱いので、冷凍庫から出してすぐ熱湯や高温加熱に移すのは避けてください。可否は必ず製品の表示に従います。

ホーローは、油ものや匂いの強いものに強く、直火やオーブンに使える製品もあります。ただし電子レンジには使えません。「そのまま温めて食卓へ」を電子レンジでやりたい人とは相性が合いません。中身が見えないこと、ぶつけて欠けるとその部分から錆びることも頭に入れておきます。

**プラスチック(ポリプロピレンなど)**は、軽くて割れにくく、冷凍との相性がいい。重ねる使い方にも向きます。弱点は色と匂いの移りやすさ、そして油分の多いものを電子レンジで繰り返し温めたときの劣化です。ここは消耗品と割り切って、数年で買い替える前提にすると気が楽になります。

ステンレスは、丈夫で軽く、匂い移りが少ない。ただし電子レンジは使えず、中身が見えません。作り置きの下ごしらえを冷蔵で保管しておく、といった用途に向きます。

「重ねる」「立てる」は、本体より蓋で決まる

重ねたいなら、蓋の天面が平らかどうかを見ます。取っ手や凹凸があると、上に載せたものが安定しません。同じシリーズでサイズ違いを揃えると天面と底の寸法が合うよう設計されていることが多く、これは実際に効きます。逆にメーカーがばらばらだと、積んだつもりが斜めになります。

立てて使うなら、パッキンとロックの有無を必ず確認します。汁気のあるものを横倒しにして平気なのは、四辺ロック+パッキンのタイプだけだと考えておくほうが安全です。ただしパッキンは外して洗う手間が増え、溝に汚れが残りやすい。ここは「密閉性」と「洗う手間」のどちらを取るかの交換条件で、両立する万能の答えはありません。

冷凍と「そのまま食卓へ」は、同じ容器で両立しにくい

冷凍で効くのは、浅くて平たい形です。厚みがあるほど凍るのも解けるのも遅くなります。容量は八分目まで。液体は膨らみます。

一方「そのまま食卓へ」で効くのは、蓋を外したときに食器として見られるかどうかです。ここは好みの問題なので、写真ではなく実物の色と質感で判断したいところ。加えて、電子レンジで温めた直後は容器全体が熱くなるので、テーブルまで運ぶときに何を使うかも先に考えておきます。

この二つを一つの容器で兼ねようとすると、たいてい中途半端になります。冷凍用は割り切って軽くて安価なものを数多く、食卓に出すものは少数を良いもので、と分けるほうが現実的です。

決める順番と、実物で確かめたいこと

順番はこうです。①四つの使い方に一位と二位をつける ②冷蔵庫の棚の高さと奥行きを測る ③素材を絞る ④蓋の方式を選ぶ ⑤洗い方(食洗機、パッキンの着脱)を確認する。

それでもうまくいかないことはあります。よくあるのは、揃えたサイズが自分の作る量と合わないこと。これは何回か作り置きをして初めて分かるので、最初から全部を買い揃えず、二つ三つ試してから追加するのをおすすめします。

蓋の開けにくさ、持ったときの重さ、重ねたときの安定感は、手に取らないと分かりません。暮らしの雑貨の売場では実際に蓋を開け閉めしたり、重ねてみたりしながら選べます。使い方を話していただければ、それに合いそうなものを一緒に見ていきます。決めきれない日は、寸法だけ測って帰るのでも構いません。

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