メガネのこと

メガネは何年で買い替え?劣化サインで点検する

「そろそろ何年になるかな」と、メガネを外して眺めたことはありませんか。特に壊れてはいない、見えないわけでもない。でも、なんとなくくたびれてきた気がする——この記事では、年数ではなく、いま手元にあるフレームのどこを見れば替えどきが分かるのか、確かめる場所を順番に並べていきます。

「何年で買い替え」に、決まった答えがない理由

よく二年、三年といった目安が語られますが、実際のところ、同じ時期に作った同じフレームでも傷み方はまるで違います。毎日十二時間かけている人と、仕事のときだけの人。汗をかく仕事か、室内中心か。片手で外す癖があるか、両手で外すか。ケースに入れて持ち歩くか、胸ポケットに挿すか。この差のほうが、経過年数よりずっと大きく効いてきます。

ですから、年数は「そろそろ点検してみようか」という合図くらいに受け取って、判断はフレームそのものから読み取るのが確実です。以下、手に取って確かめられる順に見ていきます。特別な道具は要りません。明るい場所と、平らな机があれば十分です。

まず机に置く。ゆがみは平らな場所でしか分からない

最初にやってほしいのは、テーブルにメガネを普通に置くことです。テンプル(つる)を開いて、レンズを下にせず、いつも置くように置いてみてください。

見るのは、左右のテンプルの先が両方とも机に着いているかどうか。片方が浮いていたら、フレームがねじれています。次に、正面から見て左右のレンズが同じ高さにあるか。片側だけ下がっていれば、これも歪みです。かけたときに「なんとなく傾いて見える」「写真に写ると曲がっている」という状態は、たいていここに出ます。

この段階の歪みは、多くの場合まだ調整で戻せる範囲です。逆に言えば、歪んだまま使い続けると鼻や耳の一点に負担が集まり、そこから次の傷みが進みます。点検の一番目に置いているのは、ここが起点になりやすいからです。

触って確かめる4か所 —— 丁番、ネジ穴、テンプル、鼻あて

次に、指で確かめます。

丁番(テンプルの付け根)。テンプルを半分開いた状態で、上下にそっと動かしてみてください。カタカタと遊びがあるなら、ネジが緩んでいるか、丁番そのものが痩せています。閉じるときにストンと落ちる、開くときに引っかかりなく倒れる、というのも同じサインです。新しいうちは、ある程度の抵抗感があるものです。

ネジ穴。ネジを締め直してもすぐ緩む場合、ネジではなく穴の側が広がっていることがあります。締めても数日で戻る、という繰り返しが起きているなら、この可能性が高い。ここは修理の難易度が一段上がる場所です。

テンプルの弾力。両手で軽く外側に広げてみて、離したときに元の位置へ戻るか。広げたまま戻らない、あるいは片側だけ明らかに柔らかい場合は、金属なら金属疲労、プラスチック系なら熱や紫外線による変質が進んでいます。何度も調整を繰り返した箇所は、そこだけ先に弱ります。

鼻あて(パッド)。透明のパッドが黄ばんで硬くなっていないか、支える金属の腕(クリングス)が左右で違う角度になっていないか。パッドは消耗品なので、ここだけの傷みならフレーム全体の寿命とは別に考えて構いません。

塗装・メッキの剥がれは、場所によって意味が違う

見た目の話に思えますが、剥がれは「どこが剥がれているか」で読み方が変わります。

テンプルの、耳にかかるあたりの内側。ここが剥げるのは、汗と皮脂が当たり続けた結果で、いちばん自然な減り方です。次に多いのが、丁番まわりと鼻あての金属部分。ここは可動と摩擦が重なるので早い。

気にしたいのは、フロント(レンズを囲む部分)の表面が広い面積で浮いていたり、めくれ上がっていたりするケースです。素地が出て金属が露出している状態は、そこから腐食が進みやすく、進むと強度に関わってきます。プラスチック系のフレームなら、表面が白っぽく粉を吹いたようになる、艶が消える、透明部分が濁る、といった変化が同じ意味を持ちます。曲げようとすると割れる段階に入っていることがあるので、力を加える前に見てもらったほうが安全です。

なお、金属が肌に触れる部分で肌に赤みやかゆみが出るような場合は、素材の相談とは別に、皮膚の症状として医師に診てもらってください。店で判断できることではありません。

レンズは「傷の位置」で判断が変わる

レンズの傷は、数より位置です。

フレームの縁に近いところの細かい傷は、実用上ほとんど気になりません。一方、まっすぐ前を見たときに視線が通る中心部——レンズの真ん中あたりに横方向の傷が入っていると、光の条件によっては見づらさにつながります。蛍光灯や車のライトが滲む、夜だけ見えにくい気がする、というときは、一度レンズを外して明るい方へかざしてみてください。

もうひとつ、傷ではなくコートの劣化があります。表面に細かいひび割れのような模様が広がっていたり、拭いても取れない曇りが全面に薄くかかっていたりする状態です。これは拭き方の問題ではなく、コート層そのものの寿命なので、洗っても磨いても戻りません。この場合はレンズ交換が現実的な選択になります。

ただし、「見えにくい」の原因がレンズなのか、度数なのか、目そのものの状態なのかは、レンズを眺めただけでは切り分けられません。目の疲れや痛み、見え方の急な変化、片目だけの違和感といった症状は眼科医の領域です。まず眼科で診てもらってください。店でできるのは、見え方の相談と、メガネ側の点検・調整までです。ここは線を引いておいたほうが、遠回りになりません。

直せること、直しにくいことと、点検の順番

整理します。比較的直しやすいのは、ネジの緩み、軽い歪み、鼻あての交換、テンプル先の調整あたり。逆に難しくなりやすいのは、広がったネジ穴、痩せた丁番、素材そのものが硬化・変質したフレーム、そして折れた箇所の再接合です。「直せなくはないが、直した先がまた弱い」というケースもあり、そのときは正直にお伝えするしかありません。部品の在庫や生産終了で、同じ部品が用意できないこともあります。

点検の順番はこうです。

  1. 机に置いて、歪みを見る
  2. 丁番のガタと、ネジの緩みを触る
  3. テンプルの弾力を左右で比べる
  4. 剥がれ・白化の「場所」を見る
  5. レンズは中心部の傷とコートの状態を見る

この五つのうち、1〜3だけなら調整で持ち直すことが多い。4と5が同時に来ていたら、フレームごと替えるか、フレームを残してレンズだけ替えるかの分かれ道です。

そして、ここは文章より現物のほうが早い部分でもあります。同じ「緩み」でも、締めて済むのか、穴が負けているのかは、手で動かしてみないと分かりません。HAUSのメガネ売場には一級眼鏡作製技能士が常駐していて、いま使っているメガネを持ち込んでいただければ、どこが傷んでいて、調整で戻る範囲かどうかを一緒に見ることができます。買い替えありきでなくて構いません。「まだ使えるかどうか知りたい」で、十分な相談です。

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